インターン生
2016年1月~2016年8月
私は現在(2016年8月現在)、立命館大学大学院経済学研究科のMPED(Master’s Program in Economic Development)に在籍しています。このプログラムは国際標準に基づき、留学生への教育・研究指導を行ない、アジア諸国のリーダー育成に貢献できる国際教育協力に積極的に取り組んでいます。
MPEDでは、経済学の基礎を身につけた上で、留学生自身の母国が直面している持続的発展の課題等への政策研究が展開されています。
私は母国であるベトナムの発展課題を模索している中、実験経済学に出会いました。実験経済学とは、個人合理性を取り上げるこれまでの主流経済学と相違し、予測しきれない実際の行動を観察し、その考察に基づき適切な政策措置を立案する分野です。
修士論文では、実験経済学を応用し、電力消費者の需要を制御することで需給の不均衡を是正するプライシングの仕組みを提言しました。その仕組みは日本の離島を対象としましたが、現在電力供給不足に陥る発展途上国、特に東南アジア諸国への展開も期待できると考えています。
インターンを始めて以来、環境・エネルギー問題に関する情報収集やデータ整備、取材記事作成などの様々な業務を任せていただきました。それらの業務を通じて幾つか気づかされることがありました。
まず、コンサルティングの仕事の中では、情報集やデータ整備は手作業の部分も多く含まれるものの、仮説検証に欠かせない強力なサポートであることを実感しました。
正確なデータが整備されない限り、それから得た考察も実際の状況と懸け離れてしまい、誤った解釈を招くこともあります。のため、常にその責任感を忘れず、E-konzalの皆さんと相談し、慎重に確認しながら作業を進めるようにしています。
データに関する業務以外、環境・エネルギーの専門家への取材をもとに行った記事作成も私にとってこれまでにない良い経験でした。当時同行させていただいた取材は京都大学の松岡教授への取材です。松岡教授は、世界で高い評価を受けている気候変動の大規模シミュレーションモデルであるアジア太平洋統合評価モデル(AIM)の主要開発者の一人です。
お話を伺っている際に、約50年も携わる環境問題に対する松岡教授の熱意と造詣の深さに感激しました。
しかし、その後、頭を冷やして3時間にわたる取材を回想しつつ、分かりやすく要約し記事に仕上げることがミッションでした。専門用語も多く、日本語が母国語ではない私にとってはとても難しかったです。
同じくインターン生である田中さんと分担し、助けてもらいながら漸く記事のドラフトができました。それでも、越智さんに何度も改稿の助言をいただき、やっとホームページに掲載することができました。
私の貢献はほんの少しでしたが、完成した記事を読んで嬉しかったです。いつか自分も越智さんと田中さんのように仕事ができるようになりたいと常々感じています。
E-konzalの皆さんと出会い、一緒に働くことができたのは私の一生忘れられない経験です。皆さんのテキパキと働く姿と高い集中力を近くで見ることができました。何より、仕事と休憩のオンオフの切り替えもうまくでき、ランチタイムはいつも面白い話で笑いが絶えないおかげで、出勤するたびにワクワクしていました。
将来、皆さんのように社会に貢献できるのみならず、周囲の人にも喜びを与えられるような社会人を目指したいです。