事例紹介
2023.07.13
木質バイオマスエネルギー事業の事例調査
担当者 : 冨田 哲也 木原 友美

自立・分散型の地域社会を実現するためには、バイオマスなどの地域資源をエネルギー源として活用することが必要です。また、バイオマス発電などが社会・経済的に持続可能な形で運営されることも重要です。

 

木質バイオマス発電事業は、木材調達~ 燃料加工~輸送~エネルギー利用に至るまでに様々なステークホルダーが関わるため、多くの地域関係者や地域産業に利益をもたらすことができます。一方で、発電設備を安定稼働させるためには燃料や設備に関する多くの知識や技術が必要であり、また燃料材の価格や供給量の変動にも常に対応しなければなりません。

 

本業務では、木質バイオマス事業の中長期的な事業展開の道筋を探るため、国内各地において蓄積されつつある木質バイオマスエネルギーに関する知見や情報を収集しました。具体的には、現在国内で実施されている木質バイオマスエネルギー事業のうち、売電するだけではなく、地域の産業や近隣の施設と連携し、排熱やCO2、バイオ炭についても地域で有効に活用している事業モデルについて、調査を行いました。

 

文献調査により、全国の61事業(うち発電:27事業、熱利用のみ:34事業)について、事業内容や燃料の種類・調達方法、使っている設備、資金調達方法、発電規模等の情報をまとめ、また実際にバイオマス発電所を訪問し、事業化に至るまでのプロセスや現状の事業状況について聞き取り調査も行いました。

 

本業務において収集した情報は、地域の脱炭素化に向けた、分散型エネルギーの地域への実装シナリオの開発や、木質バイオマス技術に関するデータベースの構築に役立てられます。

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